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廃業したら家族への給与はどうなる?青色事業専従者の手続きと切り替え

個人事業として工務店を営んできた家では、奥さんが経理を担い、給与を専従者給与として支払っていることがよくあります。廃業すればその支払いも終わりますが、止めるだけでは済まない手続きがいくつも付いてきます。専従者だった家族の健康保険はどうなるのか。扶養に入れるのか。廃業年の源泉徴収はどう締めるのか。

本人の届出ばかりに気を取られて家族の分を後回しにすると、健康保険の空白期間ができたり、翌年の税額が想定と違ってきたりします。この記事では、専従者給与を払っていた場合に、廃業のタイミングで何をすべきかを順に整理します。

専従者給与は「廃業した日」で終わる

青色事業専従者給与は、事業があることを前提に支払うものです。事業をやめれば、その日以降は支払えません。廃業日を過ぎてから支払った分は、事業の経費として扱えなくなります。

実務でありがちなのが、月末締め・翌月払いにしていて、廃業後に最後の給与を支払うケースです。いつまでの労働に対する給与なのかで判断されるため、支払日が廃業後になること自体は問題ありません。ただし帳簿の付け方が変わるので、迷ったら税理士に確認してください。

やることは4つに分かれる

何を どこへ いつ
給与支払事務所等の廃止届出書 税務署 廃止から1か月以内が目安
源泉徴収した所得税の納付 税務署 納期の特例を受けているかで変わる
源泉徴収票の交付 専従者本人へ 年末調整または確定申告のために必要
健康保険・年金の切り替え 市区町村・年金事務所など 資格喪失から日数が短い。最優先

このうちいちばん期限が短いのは健康保険と年金です。税務の届出は多少遅れても取り返せますが、無保険の期間に病院にかかると全額自己負担になります。順番を間違えないでください。届出全体の一覧は廃業の総仕上げ|税務署・年金事務所への提出書類とタイムリミットにまとめています。

専従者だった家族は、扶養に入れるようになる

専従者給与を受けている間は、その家族を配偶者控除や扶養控除の対象にできません。給与を払う代わりに、控除は使えないという関係です。

廃業してその年の給与が一定額以下になれば、控除の対象にできる場合があります。つまり廃業した年から、税金の計算の組み立てが変わります。これは廃業年の確定申告で効いてくる部分なので、申告書を作る前に確認してください。詳しくは工務店廃業後の確定申告ガイド|個人事業主が廃業年にやるべき税務手続きを参照してください。

控除の対象になるかどうかは、その年に受け取った給与の総額で決まります。年の途中で廃業した場合、それまでに支払った専従者給与が判断の材料になります。金額が微妙な場合は、自己判断せず税務署の相談窓口で確認するのが確実です。

健康保険と年金の切り替えを忘れない

ここが最も抜けやすい部分です。専従者だった家族が、事業主の健康保険にどう紐づいていたかによって扱いが変わります。

  • 国民健康保険だった場合——世帯単位で加入しているため、保険料の計算に使う所得が変わります。廃業の届出をすると翌年度の保険料が変わりますが、今年度分がすぐ下がるわけではありません
  • 建設国保などの組合に加入していた場合——事業の廃止にともなって脱退することになります。家族の分もまとめて手続きが必要です
  • 法人で社会保険に入っていた場合——事業所が無くなるため、本人も家族も資格を失います。次の保険を選ぶ必要があります

選択肢の比べ方は廃業後の健康保険はどうなる?国保・任意継続・扶養の選び方と手続きに、一人親方として建設国保に入っていた場合の手順は一人親方が廃業するときの保険手続き|建設国保・労災・年金の脱退ガイドにまとめています。

年金の区分も変わることがある

専従者だった配偶者が第1号被保険者だった場合、廃業後もそのまま第1号を続けることになります。一方、配偶者が働きに出て厚生年金に入るなら第2号に変わりますし、事業主本人が再就職して配偶者がその扶養に入るなら第3号になります。

どの区分になるかで、納める保険料も、将来受け取る額も変わります。世帯として何人分の手続きが必要かを、紙に書き出してから窓口へ行ってください。本人の分だけ済ませて配偶者を忘れると、そこだけ未納期間になります。

よくある質問

廃業後も、家族に手伝ってもらう仕事があります。給与は払えますか?
事業として続けているのであれば、それは廃業していないことになります。専従者給与は事業所得の必要経費なので、事業がなければ支払えません。小さくても続ける意思があるなら廃業届を出すべきかどうかから考え直す必要がありますし、完全にやめるなら給与という形は取れません。判断に迷う規模なら税務署の相談窓口で確認してください。
専従者だった配偶者は、失業給付を受けられますか?
雇用保険に加入していたかどうかで変わります。個人事業主と生計を一にする親族は、原則として雇用保険の対象外とされているため、加入していないことがほとんどです。この場合、失業給付は受けられません。法人化していて配偶者が役員でなく従業員として加入していた場合は、扱いが変わることがあります。
源泉徴収票はいつ渡せばいいですか?
廃業して給与の支払いが終わった時点で、その年に支払った分の源泉徴収票を交付します。専従者だった家族が年内に別の勤め先へ就職する場合、そこでの年末調整に必要になります。就職しない場合でも、翌年の確定申告で使います。事務所を引き払う前に作成しておくと、書類を探し直さずに済みます。
廃業した年の専従者給与は、経費として認められますか?
廃業日までの労働に対する給与であれば、その年の必要経費になります。ただし届出の範囲を超える金額を支払っていた場合や、実態が伴わない場合は否認されることがあります。廃業年は税務署が見る機会でもあるので、支払いの記録と勤務の実態が分かる資料を残しておいてください。

あわせて読みたい

税や社会保険の扱いは、家族構成や収入によって結論が変わります。この記事は考え方を整理したものなので、実際の判断は税務署の相談窓口や税理士に確認してください。

専従者給与をめぐる手続きは、事業主本人ではなく家族に関わるものばかりです。だからこそ後回しになり、気づいたときには保険が切れている。廃業日を決めたら、まず世帯に何人分の手続きがあるかを数えてください。

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廃業の手続き
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地方出身・都心在住。数年以内に実家の事業を「廃業・承継・Iターン」のどれにするか決断を迫られている当事者です。自分が調べた廃業の手続き・お金・資産整理の情報を、国税庁など公式情報を確認しながら記録・整理しています。※税理士・弁護士などの専門家ではないため、具体的な判断は各専門家・行政窓口へご相談ください。

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