個人事業主・一人親方が事業をやめるとき、最初に提出するのが税務署への「個人事業の開業・廃業等届出書」(通称:廃業届)です。「書き方が難しそう」と身構える方も多いですが、実際は記入する項目が限られており、ポイントさえ押さえれば10分ほどで書ける書類です。
この記事では、廃業届の書き方を項目ごとに記入例つきで解説します。あわせて同時に出すべき書類や提出方法も整理しました。
📋 この記事でわかること
・廃業届(個人事業の開業・廃業等届出書)の入手方法
・項目ごとの書き方と記入例
・同時に提出すべき書類
・提出先・期限・提出方法
・よくある記入ミスと注意点
廃業届とは?まず全体像を把握
正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。開業時と廃業時で同じ様式を使い、該当箇所にチェックを入れて使い分けます。
- 提出先:納税地を所轄する税務署
- 提出期限:廃業日から1ヶ月以内
- 手数料:無料
- 入手方法:国税庁サイトからダウンロード、または税務署の窓口
項目ごとの書き方【記入例つき】
① 税務署名・提出日
提出先の税務署名を記入します。納税地(自宅または事業所の住所)を管轄する税務署です。わからない場合は国税庁サイトの「税務署を調べる」で確認できます。提出日は実際に提出する日付を記入します。
② 納税地・氏名・個人番号など
| 項目 | 記入内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 納税地 | 自宅か事業所の住所を選択し記入 | 〒xxx 東京都〇〇区〇〇1-2-3 |
| 氏名・生年月日 | 本人氏名と生年月日 | 建設 太郎 / 昭和40年4月1日 |
| 個人番号 | マイナンバー12桁 | xxxxxxxxxxxx |
| 職業 | 廃業する事業の職業 | 建設業(内装工事業 など) |
| 屋号 | 屋号があれば記入 | 〇〇工務店 |
③ 届出の区分
ここが廃業届の最重要ポイントです。「廃業」にチェックを入れ、廃業の事由(理由)を記入します。事業の全部を廃止する場合は「事業の全部を廃止」を選びます。理由は「高齢のため」「後継者不在のため」など簡潔で構いません。
④ 所得の種類
廃業する事業の所得区分にチェックします。建設業の場合は通常「事業(農業以外)」です。
⑤ 廃業日
実際に事業を廃止した日を記入します。仕掛中の工事がある場合は、完工日または引き継ぎ完了日を廃業日とするのが実態に合わせやすいです。
⑥ 廃業に伴う届出書の提出の有無
「青色申告の取りやめ届出書」「消費税の事業廃止届出書」を同時に提出するかどうかにチェックを入れます。該当するものは「有」を選び、同時提出するのが効率的です。
⑦ 給与等の支払いの状況
従業員を雇っていた場合は、給与の支払い状況を記入します。従業員がいなかった一人親方は空欄または「0」で構いません。
💡 記入に迷う項目があっても、税務署の窓口で相談しながら記入できます。空欄のまま持参して窓口で埋めるのも問題ありません。
廃業届と同時に提出すべき書類
| 書類名 | 対象 | 期限 |
|---|---|---|
| 所得税の青色申告の取りやめ届出書 | 青色申告をしていた人 | 翌年3月15日まで |
| 消費税の事業廃止届出書 | 課税事業者 | 速やかに |
| 適格請求書発行事業者の登録取消届出書 | インボイス登録者 | 翌期開始前日まで |
| 給与支払事務所等の廃止届出書 | 従業員に給与を払っていた人 | 廃止後1ヶ月以内 |
これらは廃業届と一緒に提出すると二度手間になりません。消費税の手続きは期限が早いものもあるため、廃業時の消費税手続きまとめも確認してください。
届出や確定申告に不安がある方は、税理士に相談しませんか?
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提出方法は3つ
- 窓口持参:税務署で相談しながら提出できる。控えに収受印をもらえる
- 郵送:控えと返信用封筒(切手貼付)を同封すれば収受印付きの控えが返ってくる
- e-Tax(電子申告):マイナンバーカードがあればオンラインで提出可能
💡 控えは必ず手元に残しましょう。廃業を証明する書類として、国保の減免申請などで求められることがあります。
よくある記入ミス・注意点
- 廃業日と提出日を混同する:廃業日は事業をやめた日、提出日は書類を出す日。別物です
- 青色申告の取りやめ届を忘れる:廃業届だけ出して青色取りやめを忘れるケースが多い
- 消費税の届出を忘れる:課税事業者は別途必要。申告期限も早い
- 建設業許可の廃業届と混同する:税務署の廃業届とは別に、許可を持つ人は都道府県等への届出も必要
建設業許可を持っている場合の手続きは建設業許可の廃業届の書き方を参照してください。
よくある質問
Q. 廃業届を出さないとどうなりますか?
A. 直接の罰則はありませんが、税務署に廃業が伝わらず確定申告の督促が届いたり、課税事業者として扱われ続けたりします。手間とリスクを避けるため、必ず提出しましょう。
Q. 廃業日を過ぎてから提出しても大丈夫ですか?
A. 期限は廃業日から1ヶ月以内ですが、遅れて提出しても受理されます。気づいた時点で速やかに提出してください。
Q. 廃業届を出した後、また事業を始めたくなったら?
A. 同じ様式で「開業」にチェックを入れて開業届を出せば、いつでも事業を再開できます。廃業から再開業に制限はありません。
まとめ
個人事業の廃業���は、ポイントを押さえれば難しい書類ではありません。
- 「廃業」にチェック+廃業日+事由が記入の核心
- 青色取りやめ・消費税の届出を同時に出すと効率的
- 提出は窓口・郵送・e-Taxの3通り。控えは必ず保管
- 建設業許可があれば別途、許可の廃業届も必要
手続き全体の流れは廃業手続き完全マスターガイドでも解説しています。

