解体工事業・とび土工工事業は、他の建設業種と比べて重機・特殊車両・産業廃棄物関連の許可が絡むため、廃業時に確認すべき項目が多い業種です。「建設業許可の廃業届さえ出せば終わり」と思っていると、見落としが出やすくなります。
この記事では、解体工事業・とび土工工事業に特有の廃業ポイントを整理して解説します。
📋 この記事でわかること
・解体工事業・とび土工工事業の廃業で特有に確認すべき項目
・重機・特殊車両の売却
・産業廃棄物関連の許可
・解体工事業登録(建設リサイクル法)の廃業手続き
・アスベスト関連の記録保存
解体工事業・とび土工工事業、廃業で特有の論点
| 項目 | 一般的な建設業と異なる点 |
|---|---|
| 重機の保有台数 | ユンボ・クレーンなど高額資産を複数保有していることが多い |
| 産廃関連の許可 | 自社運搬をしている場合、産業廃棄物収集運搬業許可が別途必要 |
| 解体工事業登録 | 建設リサイクル法に基づく都道府県への登録が別途必要な場合がある |
| アスベスト調査記録 | 解体前調査の記録に法定の保存義務がある |
①重機・特殊車両の売却
ユンボ・クレーン・解体用アタッチメント(圧砕機・破砕機)などは高額な資産です。廃業費用の原資にするためにも、専門業者での相見積もりを必ず行いましょう。
- 油圧ショベル(ユンボ)・クローラークレーンなどの重機
- 解体用アタッチメント(圧砕機・破砕機・カッター)
- ダンプトラック・パッカー車などの運搬車両
重機の売却については廃業時の建設機械・重機の買取完全ガイドで詳しく解説しています。
②産業廃棄物収集運搬業許可の廃止
自社で解体材の運搬まで行っていた場合、産業廃棄物収集運搬業許可を持っているケースが多くあります。この許可は建設業許可とは別に、廃止届出が必要です。
詳しい手続きは建設業許可の廃業届の記載例とあわせて、産業廃棄物関連の廃止手続きも確認しておきましょう。複数の自治体で許可を持っている場合は、それぞれの自治体で個別の届出が必要になる点に注意してください。
③解体工事業登録(建設リサイクル法)の廃業
建設業許可の「とび・土工工事業」または「解体工事業」を持たずに解体工事のみを請け負っていた事業者は、建設リサイクル法に基づく「解体工事業者登録」を都道府県ごとに受けています。この登録も廃業時に廃業等届出書の提出が必要です。
| ケース | 必要な手続き |
|---|---|
| 建設業許可(とび・土工工事業/解体工事業)を保有 | 建設業許可の廃業届+(許可があれば)解体工事業登録は不要な場合が多い |
| 建設業許可なし・解体工事業登録のみ | 解体工事業者登録の廃業等届出書を提出 |
⚠️ どちらに該当するか分からない場合は、登録・許可を受けた都道府県の窓口に確認するのが確実です。
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④アスベスト調査記録の保存義務
2022年の法改正により、解体・改修工事の前には石綿(アスベスト)事前調査が義務化されています。この調査結果の記録は、法律で3年間の保存義務があります。廃業しても記録を破棄せず、期間内は保管しておく必要があります。
その他確認しておきたいこと
- 建設業退職金共済(建退共)の脱退手続き:現場作業員がいた場合
- 労災保険(一人親方の特別加入含む)の脱退手続き
- 作業員名簿・施工体制台帳の保存:一定期間の保存義務が残る場合がある
- 賠償責任保険の解約タイミング:引き渡し後のクレーム対応を考慮して判断
従業員がいる場合の対応は工務店が廃業するとき従業員はどうなる?も参考にしてください。
よくある質問
Q. 重機を売る前に廃業届を出してしまっても大丈夫ですか?
A. 問題ありませんが、廃業届の提出と重機の売却はどちらも早めに動くのがおすすめです。動くうちに売ったほうが査定額が高くなりやすいため、可能であれば売却を先に進めながら届出の準備をするとスムーズです。
Q. アスベスト調査記録はどこに保管すればいいですか?
A. 特に指定はありませんが、紛失を防ぐため書面とデータの両方で保管しておくことをおすすめします。廃業後に行政から確認を求められる可能性もゼロではありません。
Q. 解体工事業登録と建設業許可、両方必要な場合もありますか?
A. 請け負う工事の規模・内容によって異なります。不明な場合は都道府県の窓口、または行政書士に確認するのが確実です。
まとめ
- 解体工事業・とび土工工事業は重機・産廃許可・解体工事業登録が絡み手続きが多い
- 重機は専門業者で相見積もりを取って廃業費用の原資に
- 産業廃棄物収集運搬業許可は建設業許可とは別に廃止届出が必要
- 解体工事業者登録の有無を確認し、必要なら廃業等届出書を提出
- アスベスト調査記録は廃業後も3年間の保存義務がある
