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廃業で電話加入権はどうなる?資産に載っている場合の除却と売却

固定電話を解約する段取りを進めていると、思わぬところで手が止まることがあります。決算書に「電話加入権」という資産が計上されている場合です。回線を止めれば終わりだと思っていたのに、帳簿には数万円の資産として残っている。これをどう処理すればよいのか、そもそも売れるものなのか。加入権はかつて7万円を超える金額で購入するのが当たり前でしたが、いまは扱いが大きく変わっています。しかも取得したときの価額のまま帳簿に残り続ける性質があるため、廃業の年になって初めて向き合う人が多い項目です。この記事では、判断の分かれ目を整理します。なお処理は事情によって変わるため、判断の前に税理士か税務署にご確認ください。

まず、帳簿に載っているかを確認する

加入権は載っている場合と、載っていない場合があります。ここを先に確かめないと話が進みません。

確定申告書の控えに添付されている資産の一覧、あるいは決算書の固定資産の部を見てください。「電話加入権」という名前で計上されているはずです。

状態 廃業時にやること
帳簿に載っている 売却か除却かを決めて処理する
載っていない(費用処理済み) 回線の解約だけで終わる
そもそも加入権のない回線 同上。近年の契約はこちらが多い

資産の一覧が見当たらない場合は、顧問税理士がいたかを確認し、控えが残っていないか問い合わせてください。資産全体の把握は廃業を決めたら最初にやる「棚卸し」|資産・負債・契約を1枚に書き出す手順が出発点になります。

加入権は減っていない資産

加入権が廃業のときに問題になるのは、時間が経っても帳簿の金額が減らないという性質があるためです。

車や機械は使ううちに帳簿上の価値が下がっていきます。ところが加入権はその対象ではないとされており、取得したときの金額のまま何十年も残ります。20年前に7万円台で買ったものが、いまも同じ金額で載っている、という状態です。

一方で、現在の中古市場での取引価格は取得時よりかなり低くなっています。帳簿の金額と、実際に売れる金額が大きく離れている——これがこの資産の特徴です。

売るか、除却するか

選択肢は大きく2つです。どちらを選ぶかで手間と金額が変わります。

  • 売却する——加入権を扱う業者に買い取ってもらう。現金にはなるが、手続きに手間と日数がかかる
  • 除却する——使わなくなったものとして帳簿から落とす。現金は入らない

判断の材料は、手に入る金額と、かかる手間が釣り合うかです。売却できる金額はかつてほど高くないため、手続きの負担のほうが大きいと感じる場合は除却を選ぶことになります。

ただし、帳簿の金額をそのまま損失として落とせるかどうかは、状況によって判断が分かれる部分です。金額が大きい場合は、自己判断で処理せず税理士に確認してください。費用の目安は建設業廃業の税理士費用はいくら?個人・法人別の相場と費用を抑える4つのコツにまとめています。

回線の解約とは順番がある

実務で失敗しやすいのがここです。加入権を売るつもりなら、回線を解約する前に動いてください。

回線の契約を先に終わらせてしまうと、権利そのものの扱いが変わることがあります。売却を検討しているなら、まず業者に「この番号の加入権を買い取ってもらえるか」を確認し、そのうえで回線の手続きに進みます。

逆に、番号を残したい・使い続けたいという事情がある場合は、売却ではなく名義変更を検討することになります。固定電話をやめる順番と取引先への連絡は【完全版】廃業で固定電話をやめる順番と取引先への挨拶にまとめました。

番号を残したい場合

長く取引先に伝えてきた番号なら、手放すかどうかは金額だけの判断ではありません。

廃業後も個人として同じ番号を使い続けたい場合、名義を個人に変更する手続きがあります。ただし法人が解散したあとでは手続きが取りにくくなります。清算の登記より前に済ませるほうが確実です。清算の流れは工務店・建設会社の解散登記の手順|法人廃業の流れ・費用・清算結了まで完全解説を参照してください。

名義を移した場合、帳簿の上では事業用の資産を個人へ移したことになります。この処理も扱いが決まっているので、廃業後も事業用の車や工具を自分で使いたい|家事転用の手続きと税金とあわせて確認してください。

よくある質問

加入権はいくらで売れますか。
市場の状況によって変わり、取得時の金額を大きく下回るのが一般的です。複数の業者に問い合わせて比べてください。金額を保証できるものではありません。
帳簿に載っているのに、回線はもう解約済みです。
資産として残ったままになっている状態です。処理が必要なので、税理士か税務署に相談してください。廃業の年の申告で整理することになります。
ひかり電話には加入権がありますか。
契約の形態によって異なります。加入権を必要としないサービスが増えているため、まず自分の契約がどちらかを回線事業者に確認してください。
親の事業を整理しています。加入権があるか分かりません。
確定申告書の控えに添付された資産の一覧を確認してください。見つからない場合は、通帳から契約先をたどる方法もあります。手順は親の会社の通帳がどこにあるか分からない|事業用口座を探す順番と調べ方にまとめました。

まとめ

電話加入権は、まず帳簿に載っているかどうかを確認するところから始まります。載っていなければ、回線の解約だけで終わります。

載っている場合は、売却か除却かを決めて処理します。帳簿の金額と実際に売れる金額が離れているのがこの資産の特徴で、手続きの手間と釣り合うかで判断が分かれます。

売るつもりなら回線を解約する前に動くこと。番号を残したいなら、法人の清算より前に名義を移すこと。順番を間違えると選べる道が減ります。

この記事は一般的な考え方の整理であり、個別の事案に対する税務上の助言ではありません。帳簿上の処理は事業の形態や取得の経緯によって変わります。判断の前に、税理士または所轄の税務署にご確認ください。

かつては電話を引くこと自体が投資でした。その値打ちが帳簿の中だけに残っているのを見ると、事業を始めた頃の景色を思い出します。

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地方出身・都心在住。数年以内に実家の事業を「廃業・承継・Iターン」のどれにするか決断を迫られている当事者です。自分が調べた廃業の手続き・お金・資産整理の情報を、国税庁など公式情報を確認しながら記録・整理しています。※税理士・弁護士などの専門家ではないため、具体的な判断は各専門家・行政窓口へご相談ください。

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