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廃業時に従業員への給料が払えない…未払い賃金はどうなる?立替払制度と対処法を解説

​【資金繰り・お金】

資金繰りが厳しくなった状態で廃業を迎えると、従業員への給料を最後まで払いきれないという事態が起こり得ます。「払いたくても払えない」状況は、経営者にとって最も心苦しい局面のひとつですが、放置すると法律上のリスクにも発展します。

この記事では、廃業時に賃金の未払いが発生してしまった場合の対処法と、利用できる制度について解説します。

📋 この記事でわかること
・賃金未払いが違法になる理由
・未払い賃金立替払制度とは
・労働基準監督署への対応
・従業員側から見た未払い賃金への対処
・経営者が今すぐできる対応

賃金の未払いは違法行為にあたる

労働基準法では、賃金は全額・毎月一定期日に支払うことが義務付けられています(労働基準法第24条)。資金繰りが厳しいからといって支払いを怠ることは、経営判断ではなく法律違反にあたります。

状況法的な扱い
資金がなく賃金を払えない労働基準法違反(未払い賃金の請求対象)
賃金の支払いを遅らせる遅延利息(年14.6%)が発生する可能性がある
退職金規程があるのに払わない労働契約上の債務不履行として請求され得る

「廃業するのだから仕方ない」という考えは通用しません。会社に資産が残っている場合は、賃金の支払いを他の債務より優先すべきという考え方(賃金の先取特権)もあるため、専門家に相談しながら対応することが重要です。

未払い賃金立替払制度とは

会社が倒産(法的整理・事実上の倒産)し、賃金を支払えないまま退職せざるを得なくなった従業員のために、国(独立行政法人労働者健康安全機構)が未払い賃金の一部を立て替えて支払う制度があります。

項目内容
対象労災保険の適用事業で1年以上事業を行っていた事業主のもとで働いていた労働者
立替払いの範囲退職日の6ヶ月前から立替払請求日の前日までに支払期日が来ている未払い賃金・退職金
立替払いの上限未払い額の8割(年齢によって上限額が異なる)
申請の条件「倒産」の認定(法的整理、または中小企業の場合は事実上の倒産の認定)が必要

⚠️ この制度を使うには、単なる「廃業」ではなく「倒産」の認定が必要です。資産が残る自主廃業では対象外になる場合があるため、要件は事前に確認が必要です。廃業と倒産の違いは廃業と倒産の違いをわかりやすく解説で詳しく解説しています。

従業員への対応で経営者がすべきこと

  • 状況を正直に、できるだけ早く伝える:黙って先延ばしにするのが最も関係を悪化させる
  • 支払える範囲・時期を具体的に示す:「いつ、いくら払えるか」を明確にする
  • 資産売却を急ぐ:トラック・重機・在庫などを現金化し、賃金支払いの原資にする
  • 労働基準監督署への相談も選択肢に入れる:一人で抱え込まず、早めに相談する
  • 専門家(弁護士・社会保険労務士)に相談する:法的な優先順位・手続きを確認する

資産の現金化については廃業時の資産売却完全ガイド、資金繰りが厳しい場合の対処法は廃業費用が払えないときの対処法も参考にしてください。

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労働基準監督署が動くとどうなるか

従業員が労働基準監督署に相談・申告すると、監督署から是正勧告や指導が入ることがあります。悪質だと判断された場合は刑事罰(30万円以下の罰金など)の対象になることもあるため、「払えないから放置する」という対応は最もリスクが高い選択です。早めに動くことが、経営者自身を守ることにもつながります。

よくある質問

Q. 未払い賃金立替払制度は個人事業主の従業員も対象になりますか?

A. 労災保険の適用事業所であれば、法人・個人事業を問わず対象になり得ます。ただし「倒産」の認定要件を満たす必要があるため、労働基準監督署や労働者健康安全機構に確認してください。

Q. 一部だけでも先に支払うことはできますか?

A. 可能です。全額を一度に払えなくても、資産を現金化しながら分割で対応することは、従業員との関係を保つうえでも重要な対応です。

Q. 経営者自身の給料も未払いになっています。同じ制度は使えますか?

A. 未払い賃金立替払制度は「労働者」が対象のため、代表者本人の役員報酬は原則対象外です。経営者自身の生活資金については、別途、資産整理や専門家への相談が必要になります。

まとめ

  • 賃金の未払いは労働基準法違反にあたり、放置は最もリスクが高い
  • 未払い賃金立替払制度は「倒産」認定が条件(自主廃業では対象外の場合あり)
  • 状況を正直に、早めに伝えることが従業員との関係を守る第一歩
  • 資産の現金化を急ぎ、支払いの原資を確保する
  • 一人で抱え込まず専門家・労働基準監督署に早めに相談する

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