建設業許可を持つ工務店・建設業者が廃業するとき、都道府県知事または国土交通大臣への「廃業届」提出が義務付けられています。この手続きを怠ると罰則の対象になることもあるため、正確な記載と期限内の提出が重要です。
この記事では、建設業許可の廃業届(様式第22号の4)の実際の記載例・記入例をもとに書き方を具体的に解説します。よくある記載ミスや、提出先・期限もあわせて確認しましょう。
📋 この記事でわかること
・廃業届が必要な5つのケース
・様式第22号の4の記載例(記入例)
・各欄の書き方と注意点
・よくある記載ミス・不備
・提出先・期限・添付書類
廃業届が必要な5つのケース
建設業許可の廃業届は、以下のいずれかに該当する場合に提出が必要です(建設業法第12条)。
- ①個人事業主が死亡した(相続人が提出)
- ②法人が合併・破産以外の理由で解散した
- ③法人が合併により消滅した
- ④法人が破産手続き開始の決定を受けた
- ⑤許可を受けた建設業をすべて廃止した(廃業・引退など)
工務店・建設業者が事業をやめる一般的な「廃業」は⑤に該当します。提出期限は事由発生から30日以内です。
様式第22号の4の記載例
廃業届は「建設業者の廃業等の届出書(様式第22号の4)」を使用します。以下の記載例を参考に、実際の状況に合わせて記入してください。
届出者(事業者)欄
| 欄 | 記載内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 商号又は名称 | 登録されている商号・法人名をそのまま記入 | 株式会社〇〇工務店 / 〇〇建設(個人) |
| 代表者氏名 | 代表者(個人事業主の場合は本人) | 代表取締役 〇〇 〇〇(印) |
| 主たる営業所の所在地 | 登録の営業所住所 | 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇番地 |
| 許可番号 | 許可証に記載の番号 | 〇〇知事許可(般-〇〇)第〇〇号 |
廃業等の区分欄
廃業の理由に応じて番号を選択します。
| 番号 | 区分 | 一般的な廃業の場合 |
|---|---|---|
| 1 | 個人の死亡 | — |
| 2 | 法人の解散(合併・破産以外) | 法人を解散して廃業する場合はここ |
| 3 | 法人の合併消滅 | — |
| 4 | 破産手続き開始の決定 | — |
| 5 | 許可に係る建設業の廃止 | 個人・法人問わず事業をやめる場合はここ |
通常の廃業(事業をやめる)は「5 許可に係る建設業の廃止」を選択します。
廃業する建設業の業種欄
廃業する業種をすべて記入します。例えば「土木工事業、建築工事業、電気工事業」など許可を持つ業種をすべて列記します。一部の業種だけ廃業する場合は、廃業する業種のみ記入します。
廃業等の年月日欄
事業を廃止した日付(実際に営業を停止した日)を記入します。法人解散の場合は解散決議の日です。
⚠️ 記載ミスが多い箇所
①許可番号の転記ミス(許可証を必ず手元に置いて確認)
②廃業区分の選択ミス(単純廃業は「5」)
③廃業年月日と提出日のずれ(30日以内に提出)
④業種の記載漏れ(許可業種をすべて確認)
提出先・期限・添付書類
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出期限 | 廃業の事由が発生した日から30日以内 |
| 提出先 | 許可を受けた都道府県の建設業担当課(知事許可)または地方整備局(大臣許可) |
| 添付書類 | 建設業許可証(原本)・法人の場合は解散登記事項証明書など(都道府県によって異なる) |
| 提出方法 | 窓口持参または郵送(都道府県により異なる) |
提出先や必要書類は都道府県によって細かく違うことがあります。事前に担当窓口か行政書士に確認することをおすすめします。
提出当日の流れと事前に電話で確認すること
廃業届は郵送できない都道府県もあり、窓口持参が原則のケースが多くあります。二度手間を避けるため、訪問前に電話で確認しておくとスムーズです。
- 書類の準備:様式第22号の4に記入し、許可証の原本と一緒に用意する
- 窓口の場所・受付時間を確認:都道府県により担当窓口(土木事務所・県庁の建設業課など)が異なる
- 窓口に持参または郵送:郵送対応の可否は都道府県ごとに異なるため事前確認を
- 受付・控えの受領:受理されたら控えや受付印をもらっておく
📞 事前に電話で確認したいこと
・持参する書類の一覧(都道府県によって異なる)
・郵送での提出が可能か
・受付時間・担当窓口の場所
・許可証を紛失している場合の対応
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建設業許可証はどうなる?
廃業届を提出すると、許可は失効します。許可証(原本)は返納が求められる都道府県がほとんどです。紛失している場合は「亡失」の届出が必要になるため、早めに確認しましょう。
他に必要な手続き
建設業許可の廃業届のほかに、以下の手続きも並行して進める必要があります。
- 税務署・都道府県・市区町村への廃業届(個人事業の場合)
- 法人解散・清算登記(法人の場合)
- 雇用保険・社会保険の喪失手続き(従業員がいる場合)
- 建退共(建設業退職金共済)の脱退手続き
廃業全体の手続きの流れは建設業・工務店の廃業手続き完全マスターガイドで体系的に確認できます。
よくある質問
Q. 廃業届を出し忘れたらどうなりますか?
A. 提出期限(30日以内)を過ぎると建設業法違反となり、10万円以下の過料の対象になります。遅れても提出はできますので、気づいた時点ですぐに手続きを進めてください。
Q. 一部の業種だけ廃業する場合はどうしますか?
A. 廃業する業種のみ記入します。残る業種については引き続き許可が有効です。ただし経営業務管理責任者や専任技術者の要件を引き続き満たす必要があります。
Q. 許可の有効期限が切れていても廃業届は必要ですか?
A. 建設業許可は5年ごとの更新制で、更新しなければ許可は失効します。すでに失効している場合は廃業届の提出義務はありませんが、書類上の扱いが不明な場合は念のため管轄の都道府県窓口に確認することをおすすめします。
Q. 子どもや行政書士など、代理人が提出できますか?
A. 都道府県によって異なりますが、委任状があれば家族や行政書士などの代理人が提出できるケースがほとんどです。親の廃業手続きを子どもが代わりに行う場合も、委任状を用意すれば対応してもらえることが多いので、事前に担当窓口へ確認しましょう。
Q. 行政書士に頼まないと手続きできませんか?
A. 自分で提出することも可能です。ただし都道府県によって必要書類・記載方法が異なるため、窓口に事前確認するか、行政書士に依頼すると確実です。
まとめ
- 廃業届(様式第22号の4)は事由発生から30日以内に提出
- 通常の廃業(事業をやめる)は廃業区分「5」を選択
- 許可番号・業種・廃業年月日の転記ミスに注意
- 許可証の原本返納が必要な都道府県がほとんど
- 建設業以外の廃業手続きもあわせて並行して進める
