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廃業時のリース契約解除、損しないための注意点と3つの対処法

​【車両・機械の売却】

はじめに:廃業時に立ちはだかる「リースの壁」

親が長年営んできた事業を整理する際、多くのケースで直面するのが「リース契約」の問題です。工務店であれば重機や車両、店舗であれば厨房機器やPOSシステム、オフィスであれば複合機など、事業運営に不可欠な設備がリース契約で導入されていることは珍しくありません。

しかし、事業を廃止するからといって、リース契約も自動的に終了するわけではありません。むしろ、廃業という局面において、リース契約が予期せぬ大きな負担となるケースが散見されます。感情的な判断や「なんとかなるだろう」という安易な考えは禁物です。本記事では、親の事業を綺麗に畳むために、リース契約解除に関する客観的な事実とリスク、そして具体的な対処法を解説します。

なぜリース契約は「簡単に解約できない」のか?

「使わないなら返せばいい」と考えるかもしれませんが、リース契約は一般的なレンタルとは性質が大きく異なります。この違いを理解することが、リース契約解除の難しさを把握する第一歩となります。

リースとレンタルの決定的な違い

レンタルは、レンタル会社が所有する物品を一時的に借りる契約であり、比較的自由に中途解約が可能です。これに対し、リースは、ユーザーが希望する物件をリース会社が購入し、それをユーザーに長期間貸し出す契約です。実質的には、ユーザーが物件を購入する際の「代金の後払い(割賦)」に近い性質を持っています。

リース契約では、リース期間中の解約は原則として認められていません。これは、リース会社のビジネスモデルに起因するものです。

リース会社のビジネスモデルを知る

リース会社は、ユーザーが選定した物件をメーカーや販売店から購入し、その物件代金に金利や手数料などを上乗せした総額を、リース期間中にわたってユーザーから回収することで利益を得ています。そのため、リース期間の途中で契約を解除されると、リース会社は物件代金の未回収リスクを負うことになります。

このリスクを回避するため、リース契約には「中途解約禁止」の条項が盛り込まれているのが一般的です。やむを得ず中途解約する場合には、後述する高額な違約金(規定損害金)の支払いが発生します。

中途解約で突きつけられる「3つの現実」

リース契約を中途解約する際には、想像以上の経済的負担と手間が発生します。特に注意すべき3つの現実を認識しておく必要があります。

1. 残リース料の一括支払い(規定損害金)

リース契約を中途解約する際、最も大きな負担となるのが「残リース料の一括支払い」、すなわち「規定損害金」です。これは、残りのリース期間分のリース料総額に、リース会社が定める違約金が上乗せされて請求されることが通例です。たとえ物件を使わなくなったとしても、「使わないから払わなくていい」という理屈は通用しません。契約書に明記された規定に基づき、残債を一括で清算する義務が生じます。

例えば、5年契約で月額5万円のリース料を支払っていた複合機を3年で解約した場合、残りの2年分(24ヶ月)のリース料である120万円、あるいはそれに近い額を「規定損害金」として一括で支払わなければなりません。

2. 撤去・返却費用の自己負担

リース物件を解約・返却する際、設置時と同様に「原状回復」や「撤去・運搬」にかかる費用は、原則としてユーザー(借り手)の負担となります。複合機程度であれば運搬費で済みますが、工務店の大型機械、飲食店の厨房機器、店舗に固定された空調設備などは、取り外し工事や大型トラックの手配が必要になり、撤去費用だけで数十万円単位の出費になることも少なくありません。

3. 連帯保証人(経営者個人)への請求リスク

中小企業のリース契約において最も注意すべき現実が、代表者(親)が「連帯保証人」になっているケースです。廃業に伴い法人がリース料の残債(規定損害金)を支払えなくなった場合、その支払い義務は連帯保証人である親個人に降りかかります。万が一これを放置すれば、親個人の預貯金や自宅などの資産が差し押さえられるリスクがあり、最悪の場合は自己破産を検討せざるを得なくなります。

廃業時のリース契約、損しないための「3つの対処法」

それでは、多額の負担を少しでも回避し、事業を綺麗に畳むためにはどうすればよいのでしょうか。状況に応じて以下の3つの対処法を検討してください。

対処法1:リース物件の「承継(引き継ぎ)」を行う

最も理想的な解決策は、別の事業者にリース契約をそのまま引き継いでもらう「リース承継」です。
例えば、実家の店舗を居抜きで別の飲食店に貸し出す場合や、同業他社が機械を欲しがっている場合、リース会社の審査に通れば契約者の名義変更が可能です。これにより残債の一括払いや撤去費用を完全に免れることができます。事業譲渡(M&A)や居抜き売却を検討している場合は、真っ先にこの方法を探りましょう。

対処法2:リース会社と交渉し「買い取り→売却」を行う

原則としてリース物件の所有権はリース会社にありますが、契約の残期間が少ない場合などは、規定損害金を支払う代わりに、物件を妥当な金額で「買い取り(所有権の移転)」させてもらえないか交渉できるケースがあります。
買い取って所有権を自社に移せば、その物件は自由に売却できます。建設機械、工作機械、専門機器など、中古市場で価値が落ちにくいものであれば、専門の買取業者に高値で売却することで、結果的にリース残債の負担を相殺(あるいはプラスに)できる可能性があります。

対処法3:早期に相談し、分割払いの「リスケジュール」を組む

どうしても一括での支払いが難しく、承継や買取も不可能な場合は、絶対に支払いを放置せず、廃業を決断した時点ですぐにリース会社へ相談してください。
リース会社としても、放置されて一切回収できなくなるよりは、少しずつでも回収できる方が望ましいため、誠実に経営状況を説明すれば、規定損害金の「分割払い(リスケジュール)」に応じてくれる場合があります。専門家(弁護士や廃業支援コンサルタント)を間に入れて交渉すると、よりスムーズに進むことが多いです。

まとめ:放置は最大のNG。まずは契約書の確認から

廃業時におけるリース契約の解約は、「残債の一括請求」「撤去費用」「連帯保証人への請求」という3つの重い現実を伴います。これらを知らずに「事業をやめるから機器も捨てる」と安易に行動すると、後から致命的な負債を抱え込むことになります。

まずは、親の事業で使われているすべてのリース契約書を引っ張り出し、「残期間」「月額料金」「連帯保証人の有無」をリストアップすることから始めましょう。状況を正確に把握し、必要であれば専門家の力も借りながら、早め早めに対処していくことが、実家の事業を綺麗に畳むための最大の鍵となります。

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